パワハラ自殺で安全配慮義務違反。賠償額は約5,500万円に

「いじめやパワーハラスメントによる自殺である」と
遺族が会社を訴えた裁判で、名古屋高等裁判所は、
会社の安全配慮義務違反を認め、賠償額を165万円とした一審の判断を変更し、
約5,500万円の支払いを命じました。

自殺した労働者は、入社当時はデータ入力など経理事務に従事し、
3年後に、営業事務に異動しました。
営業事務は、時間の制約が厳しいうえ、多くの知識を必要で、
実際、異動2年目で上司が補助をしていた社員もいたようです。

そのような業務にも関わらず、自殺した労働者は、ミスに対して
上司から「てめえ」「同じミスばかりして」などと、大声で強く
注意・叱責されていたのだそうです。


新年度早々から、パワハラに対する悲しい話題ですが、
従業員の自殺という悲しい出来事は、決して起こしてはいけません。

ハラスメントは、企業の最大のリスクです。
新年度は、より一層の自覚をもって
ハラスメント防止対策に取り組む必要があると考えています。
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◆電子部品メーカーのセクハラ訴訟、最高裁へ

電子部品メーカーのグループ会社の男性社員からセクハラを受けたとして、
派遣社員の女性が、男性社員と会社などに対し損害賠償を求めた訴訟で、
最高裁は、今月、上告審弁論を開くことを決めました。

セクハラは、世界でも注目され、日本でも訴訟になるケースが増えています。
今回のケースでは、企業の責任について
最高裁がどのような判断を示すのか、注目されています。


セクハラ防止に対する意識が浸透するにつれ、相談件数が増えています。
大学で指導する側からのセクハラ、学生間でのセクハラも深刻です。

従来、セクハラは声を上げにくい傾向がありましたが、世界的に告発が
相次いだことで、声を上げやすい環境が整ってきたと感じています。

このような社会環境の変化を受け、来年は、改めてセクハラと
その背景にあるジェンダー意識(性別役割分担意識)に基づく
ハラスメントの防止に向けた取り組みを啓発する必要生が高まってくると
感じているところです。

厚労省「職場におけるパワーハラスメント防止対策についての検討会」

厚生労働省で
「職場におけるパワーハラスメント防止対策についての検討会」が
定期的に開催されています。

パワハラを人命に関わる重い問題ととらえ、
予防・防止に力を入れる必要があるという観点から議論されています。

討論会では、
・パワハラの原因の根幹はコミュニケーション不足
・パワハラが起きたときの調査は難しい
・相談に来た被害者が一方的な主張をする
・被害者が加害者のこともある
・顧客からのハラスメントも無視できない
・行為が不適切・違法かどうかの判断が非常に難しい
などの意見が出ているようです。

また、
「ハラスメント行為者の定義をとらえなおし、
 特定の行為をした者に対し、処罰や制裁を与えることができないか」
「マタニティハラスメントと同じように、企業に対し
 パワハラ防止対策も義務化できないか」
といった議論もされています。

今後、どのような議論が続くのか、検討会の動きを注意深く
見守っていきたいと考えております。

パワハラ労働相談7万件、5年連続で最多【厚生労働省】

「個別労働紛争解決制度(※)」の2016年度の利用状況が
厚生労働省から公表された。

それによると、全体の労働相談件数は約113万件で、15年度と比べ9.3%に増加。
内訳はパワーハラスメントを含む「いじめ・嫌がらせ」が約7万1千件で、
5年連続で最多だった。

集計結果を踏まえ、厚労省は
「泣き寝入りせずに、職場改善を求める動きが広がっている」と分析している。

職場のいじめ・嫌がらせに次いで相談が多かったのは、
「自己都合退職」で約4万件。
人手不足により「会社が辞めさせてくれない」といった相談が増えている。

※個別労働紛争解決制度
 労働者と企業のトラブルを裁判に持ち込まず迅速に解決するための制度

【日本経済新聞(2017年6月16日)より編集】

*****

厚生労働省は所轄する都道府県労働局に「雇用環境・均等部(室)」を設置し、
相談者がより相談しやすくなるように、相談の窓口を1本化しました。
また、ハラスメントに対する判決はより重くなっています。

一方で、パワハラ予防や解決に向けて具体的な取り組みをしている企業の割合は
約半数というデータもあります。

職場のハラスメント対策を最優先事項ととらえ、
組織が一丸となって積極的に取り組む必要性を感じる結果です。

数多くの企業様、団体様のハラスメント防止に向けた取り組みを
サポートさせていただいている私の実感は、
【ハラスメントは、適切に取り組めば、減らすことができる】です。

「何から手を付けたらよいか分からない」といったご相談も承っております。
お気軽に、お問い合わせください。

◆上司のセクハラ、会社にも賠償責任(判例から考える)


 【セクハラ損害賠償等請求事件(東京地裁 平成28年12月21日)】

上司Aは、退社する際に部下の女性従業員の頭部に触れたことが
複数回あった。また、「愛してる」などとメールを送信したうえ、
部下がはぐらかせるような応答をしたことに対し、
「もう、いい」などというメールを送信し、部下を不安・困惑に陥れた。

これらの行為は、以後の就業環境を不快にする言動であり、セクハラ行為に
あたると判断できることから、Aは不法行為責任を負うこととなった。

また、新入社員を対象としたセクハラ防止研修は実施していたが、
上司Aのような中途採用者を対象とした研修を実施していなかったことから、
会社に対しても、指導・教育義務を怠っていたとして賠償責任があるとされた。

上司Aと会社の賠償金額は10万円である。

     【セクハラ損害賠償等請求事件(東京地裁 平成28年12月21日)】

*****

企業・組織には、従業員に対してセクハラに関する理解を深めるための
教育・研修を実施する義務があります。

上記の判例に登場した会社では新入社員に対する研修は実施していましたが、
中途採用者に対しては実施していなかったことが、問題となりました。

ハラスメントに関する研修は、新卒者、中途採用者などの新規採用者だけでなく、
全従業員を対象として、定期的に、繰り返し実施することが重要です。

単に研修を実施するだけなく、受講者に対して、受講証明用の書類への
サインを義務付けたり、出席簿に自筆で「〇」を記入させたりすることで、
研修内容の定着やハラスメント防止に対する意識付けが期待できる場合も
あります。


皆様の組織のハラスメント研修は、定期的に繰り返し、
すべての従業員に漏れがないように設計されているでしょうか?
職能別・階層別など、組織の実態にあった研修内容になっていますか?

現在実施している研修の見直しや、より効果的な研修導入のための
ご相談はいつでも、承っております。ぜひ、お声がけください。
プロフィール

ヒューマンクオリティー

Author:ヒューマンクオリティー
樋口ユミ
(株)ヒューマン・クオリティー代表取締役

ハラスメント防止対策の専門機関としてあらゆる企業・団体・教育機関に対して防止対策コンサルティングや教育研修、カウンセリングを行う。
産業カウンセラー・米国GCDF-
Japanキャリアカウンセラー

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