■ハラスメントの相談を受け、相手方へもヒアリング
をするとき、どのような方法が適切か皆様も苦慮され
ていることと思います。
相手方へのヒアリングは事実関係の確認もポイントで
すが、特にパワハラでは当事者同士の関係改善のため
の話し合いというスタンスも重要になってきます。
相手方へヒアリングする際の留意点をまとめました。
1)相談者へ相手方へヒアリングすることの了解を
得る。
〜勝手に進めない。
2)相手方に十分話してもらう。まずは聴くことに
徹する。
〜特にパワハラの場合は、価値観や本音を探っ
ていくことが解決へ向けた第一歩となります。
3)相手方を全否定しない。その人の良いところは
認め、励ます。
〜おうおうにして、自分自身の正義感や強い思
いからパワハラを行うことが多く、相手のこ
とも一方で認め、激励をすることも大切です。
4)相談者が言っているその人への批判をそのまま
伝えない。
〜不必要にその人を傷つける必要はないことと、
特に相談者の感情すべてを伝えすぎると関係
が修復できなくなる可能性があります。
5)議論をしたり、いきなり間違いを指摘したり、
説教をしない。ゆっくり話を聴く。
〜対話を通じて、なぜ問題が起きたのか、自分
自身で考え、自己決定を促していきます。
また、自分が一度否定したものを覆すのは、
プライドなどから時間がかかることも理解し
ておきましょう。
6)落ち着いてきたら、改善点や解決に向けての話
し合いをする。
〜言動の問題点や相手の気持ち、修復について
話し合いをします。
パワハラやセクハラもそうですが、行為者は表面に
出していないだけで、どこかで上手くいっていない
ことは気づいていたり、自分自身にも偏りがあるこ
とを知っています。
その後押しをしていくことも担当者の皆様の役割で
はないでしょうか。
もちろん、これをすべて担当者の方が行わなくても、
相手方の上司がその役割を担うことができれば一番
良いかと思います。
■厚生労働省が昨年12月26日に「心理的負荷による精神障害の
認定基準」について、新たな認定基準を発表しましたが、そ
の中で”いじめや嫌がらせ”などの項目が具体化されて表現
をされました。
2月11日のコラムでは”セクシュアル・ハラスメント”の変更
箇所について、ご紹介しましたので、今回は”いじめや嫌がら
せ”について取り上げます。
これまで”いじめや嫌がらせ”は一律に3段階の強度のうち、
「強」となっていましたが、具体例を添えて強度別に示されま
した。
内容、程度、経過と業務指導からの逸脱の程度により「弱」又
は「中」と判断される場合もでてきます。
■「弱」になる例
・ 複数の同僚等の発言により不快感を覚えた(客観的には嫌が
らせ、いじめとはいえないものも含む)
→→ 同僚同士のケースや不快感を覚えるといった段階のもの。
■「中」になる例
・ 上司の叱責の過程で業務指導の範囲を逸脱した発言があった
が、継続していない
・ 同僚等が結託して嫌がらせを行ったが、継続していない
→→ 問題になる言動があるが、継続していないもの。
■「強」である例
・ 部下に対する上司の言動が、業務指導の範囲を逸脱していて、
その中に人格や人間性を否定するような言動が含まれ、かつ、
執拗に行われた
・ 同僚等による多人数が結託しての人格や人間性を否定するよ
うな言動が執拗に行われた
・ 治療を要する程度の暴行を受けた
→→ 業務の範囲を逸脱している、人格や人間性を否定するよう
な言動が執拗に行われたもの。
→→ 同じように、”上司や同僚とのトラブル”についても具体
化され、
【周囲が見ても大きな対立と認識】
【それにより業務に大きな支障が生じている】
ものは「強」と示されました。
■詳しくは厚生労働省のHPをご覧ください。
http://k.d.combzmail.jp/t/4u0q/b0ouusu0wj7ikwujhf8eM
■職場のパワーハラスメントについては、どのように周知をして
いくかを悩まれているご担当者の方も多いと思われますが、認
定基準が「強」とされているものを典型的なパワハラの具体例
として示してみるのも一つの方法です。
昨年来から、続いてきた厚生労働省の検討会議を受けて、新年度
は社会や企業に向けて、厚生労働省ではパワハラ防止のポスター
やサイトなどを作成していくとのことです。
各組織でも防止啓発を進めていきましょう。
「ハラスメント防止講師養成セミナー」3月コースが
終了しました。皆様、最終日は素晴らしいデモ研修を
してくださり、私も大変嬉しくデモ研修を拝見いたし
ました。
単に「ハラスメント防止」について研修ができるよう
になる、だけでなく、
議論を通して
「なぜ私はハラスメント防止を重要だと考えるのか」
「これはダメ、あれはダメではない伝え方とは何か」
「相手にどのように伝わっているか」
「自分自身の個性をどう活かすか」
自己理解が深まったというお声を多くいただきました。
次回は6月コースで実施を予定しています。
皆様と学びあえる次回を楽しみにしています。
■厚生労働省は1月30日職場における「パワーハラスメント」
の定義を発表しました。パワーハラスメントの対象には、
上司から部下への行為だけでなく、同僚間や部下から上司へ
の行為も含まれます。
報告書では、パワーハラスメントに当たる具体的な行為を6つの
類型に分けて提示しています。
1)<身体的な攻撃> 暴行・傷害
2)<精神的な攻撃> 脅迫・名誉毀損・侮辱・ひどい暴言
3)<人間関係からの切り離し> 隔離・仲間外し・無視
4)<過大な要求> 業務上明らかに不要なことや遂行不可能
なことの強制、仕事の妨害
5)<過小な要求> 業務上の合理性なく、能力や経験とかけ
離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと
6)<個の侵害> 私的なことに過度に立ち入ること
職場でのいじめやパワーハラスメントが近年の社会問題として顕
在化していることを受け、厚生労働省では本格的なワーキング・
グループを立ち上げ、パワーハラスメントの現状や解決策につい
て議論していました。
報告書にはこのほか、職場のパワーハラスメントの現状とその影
響、企業や組織に求める予防や解決策などがまとめられています。
今後「職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議」では、
3月をめどに問題の予防や解決に向けた提言が取りまとめられます
のでこれからも注目していく必要があります。
■詳しくは厚生労働省のHPをご覧ください。
http://k.d.combzmail.jp/t/4u0q/b0q5i6u0wjmrib8ogdxhO
■職場のパワーハラスメントについては、一方業務上必要な範囲
がどこまでか判断が難しいこと、組織や企業によって風土や求め
られるものも違い、各企業や組織での議論を報告書でも求めてい
ます。社内でパワハラについて考え方を整理をして、組織にあっ
た防止啓発を進めていきましょう。
精神障害の労災請求件数が大幅に増加し、その事案の審査が
長期化する中で、精神疾患の労災認定の迅速化と基準の直し
が進められていました。
2011年12月26日に通達が出され新しい認定基準が設けられま
した。
業務起因性を判断する要件としては下記が掲げられています。
1)発病の時期や疾患について明確な医学的判断があること
2)発病の前おおむね「6ケ月の間」に、業務による強い心
理的負荷が認められること
業務による強い心理的負荷はどの程度あるかについては
「業務による心理的負荷評価表」が指標となります。
「強」、「中」、「弱」の3段階があり、今回の見直しでわ
かりやすく具体化されました。
■セクシュアルハラスメントについては、”独立した項目”
として具体化されました。
性的な発言のみのセクハラであっても、継続して行われ、
会社が把握していても対応や改善されなかった場合も「強」
として判断されます。
評価期間の例外として、セクシュアルハラスメントやいじめ
が発病前6ケ月以前から続いている場合、行為が始まった時
点から評価されることになりました。
■長時間労働についても時間数が具体的に掲げられています。
たとえば転勤して新たな業務に従事し、その後月100時間
程度の時間外労働を行った場合は「強」とする、など。
■セクシュアルハラスメントについて、社内教育などの啓発
活動がしっかりされているか、相談窓口の設置・対応の強化
を改めて体制を見直してみましょう。
<詳しくは厚生労働省のHPにてご確認ください>
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001u5d4.html