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ハラスメント防止:日本と世界の動向

『職場のパワーハラスメントの防止を企業に義務づける改正労働施策総合推進法が29日、参院本会議で可決、成立した。初めてパワハラを定義し、上下関係を背景としたパワハラは許されないと明記する一方、罰則規定は見送られた。具体的にどのような行為がパワハラに当たるかについて、厚生労働省が来年4月の施行までに指針を策定する。
改正法は、パワハラを「優越的な関係を背景に、業務上必要な範囲を超えた言動で労働者の就業環境を害する」と初めて定義。相談体制の整備や、被害者に対する不利益な取り扱いの禁止を企業に義務づけた。一方で、「業務上の指導との線引きが難しい」とする企業側の意向を受け、パワハラ自体を罰する規定は見送られた。今後、取引先からのパワハラや顧客からの迷惑行為に関する指針も定め、フリーランスや就職活動中の学生向けの対策を検討する。 』毎日新聞2019年5月29日より抜粋。I

パワハラ防止法がついに可決されました。この機会に世界にも目を向けてみると世界では、ハラスメント行為そのものを禁止する法がある国が多数派です(※)。なかでも欧州は法律による規制が進んでいます。1989年に出された「労働者の安全と健康に関する基本指令」により、EU加盟各国に対し、ハラスメントの禁止を法制化することを求めました。

その結果、
・ベルギー、フランス ⇒ ハラスメントを対象とした特別法の制定
・英国、オランダ ⇒ 差別禁止法や平等待遇法のなかでハラスメント禁止を明記など、国内法化が進んでいます。

ILOが2019年に採択を目指す条約には「加盟国は仕事の世界における暴力とハラスメントを禁止するための国内法を制定すべき」という文言が盛り込まれる可能性が高いと考えられます。

この条約が採択されれば、日本も批准することになるでしょう。しかし批准するためには、ハラスメントを禁止する国内法の制定は必須です。今回、パワハラ防止を義務付ける法ができましたが、ILOの条約に日本が批准するためには、より一層厳しい規制を設けることが求められそうです。

※ILOの調査によると、ハラスメントを規制する国は80ヵ国中60ヵ国。日本は、規制がない国に分類されている。
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パワハラ対策法案が衆院通過 防止措置を義務付け

「職場でのパワーハラスメント(パワハラ)防止を義務付ける関連法案が25日の衆院本会議で可決し、参院に送付された。法案成立後に厚生労働省がどのような行為がパワハラにあたるかの指針を作る。2020年4月にも施行される見込みで、働きやすい職場環境の整備を後押しする。

職場で強い立場にある人が嫌がらせをするパワハラを防ぐため、相談窓口の設置やパワハラをした社員の処分内容を就業規則に設けることなどを企業に義務付ける。

セクシュアルハラスメントやマタニティーハラスメントはすでに企業に防止措置が課されているが、パワハラは明確な定義がなく対策は自主努力に委ねられていた。改正案ではパワハラを「職場において行われる優越的な関係を背景とした言動」などと明記した。

可決したのは労働施策総合推進法や女性活躍推進法などの改正案。
具体的にどんな行為がパワハラにあたるかの線引きは厚労省が作成する指針で示す。指針は法案成立後、夏ごろから議論を始めて年内公表を目指す。」
(日本経済新聞 2019年4月25日より)

◆労働施策総合推進法~パワハラ防止の法制化に向けて~

◆労働施策総合推進法~パワハラ防止の法制化に向けて~

労働政策審議会 雇用環境・均等分科会では、昨年8月より、
女性の働き方や活躍の推進、職場のハラスメントなどをテーマに
検討を重ねてきました。

先日、第14回審議会が開催されたのですが、その際、
「組織にパワハラ防止を義務付ける法律」は、

 労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び
 職業生活の充実等に関する法律

に盛り込まれることに決まりました。法制局の審査を経て法律案を確定し、
法案の閣議決定がなされました。

成立すれば、企業は1年以内にパワハラ防止に取り組む義務が
生じる予定です(中小企業は3年間の猶予あり)。

「労働施策総合推進法」などと略されることが多い法律です。
今後の動きに注目していきたいと思います。

◆2019年を迎えるにあたって~ハラスメント対策の動向~

2018年は官公庁などのセクハラ問題、スポーツ界のパワハラ問題など
ハラスメントが大きくクローズアップされる年でした。

弊社に寄せられるお問い合わせについても、今までは大企業様が
中心でしたが、あらゆる業界の多岐にわたる規模の企業様から
寄せられました。大きな転換点となる一年だったと実感しております。


パワハラについては、現在、厚生労働省で法制化に向けての審議が
進められています。しかし「パワハラ」には、「指導」との線引きが
難しい面があります。

例えば、「厳しい叱責を繰り返す」「“○○っ”と呼び捨てにする」などが
取りざたされたA銀行に対する判例(平成30年7月9日徳島地裁)では、
「指導としての相当性に疑問はあるが、理由なく叱責していたわけではないと
いう観点から、叱責は業務上の指導の範囲内」とされました。

一方で、叱責があることを把握していた上司に対しては、
「問題に気がついていたにも関わらず、放置していたことは、
安全配慮義務違反にあたる」とされました。

この判例は、パワハラに対する判断の難しさと、
放置していることの危険性を表していると考えています。


また、セクハラに関していえば、
B教育委員会に対する判例(平成30年3月27日福島地裁)で、
「容姿や体型、服装などをとりあげる、異性関係を詮索されるといった行為は
セクハラにあたる」という判断がくだされたように、セクハラの範囲を
改めて再認識させられる事例が多かったように捉えています。

残念ながら日本のジェンダー指数は過去最低の世界114位です(※)。
相談対応や研修でも全ての人が活かされていなかったり、
古い考えに凝り固まっているなかで苦しんでいる人が多いことを
痛感させられています。


現在進んでいるパワハラ防止の法制化の動向は随時お伝えしてまいります。
皆様とご一緒に適切な防止策を考えていきたいと思っております。


 ※世界経済フォーラムが「ジェンダー・ギャップ指数2017」より
 http://www.gender.go.jp/public/kyodosankaku/2017/201801/201801_04.html

厚労省検討会でパワハラ防止の法制化を検討 ガイドラインの内容に注目

厚生労働省の検討会は、職場におけるパワーハラスメントを防止するために、
事業主に対して、雇用管理上の措置義務を法律に明記する必要があるとする
報告を2018年3月にまとめました。

現場において、取り組みべき事項を具体的にガイドラインに示したのち、
法制化を目指すことになるようです。

パワハラを徹底的に防止するためには、
「罰則付きの法制化は必須」という意見がある一方で、
パワハラの定義の難しさから「法制化は避けたい」という意見もあり、
結論が出るまでには、まだまだ時間がかかりそうです。
議論は労働政策審議会に場を移すこととなります。

厚労省での議論の推移や、法制化への動向を見据えつつ、
皆様の組織に最適な対策をご一緒に考えていけたらと考えております。

プロフィール

ヒューマンクオリティー

Author:ヒューマンクオリティー
樋口ユミ
(株)ヒューマン・クオリティー代表取締役

ハラスメント防止対策の専門機関としてあらゆる企業・団体・教育機関に対して防止対策コンサルティングや教育研修、カウンセリングを行う。
産業カウンセラー・米国GCDF-
Japanキャリアカウンセラー

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